メスカルとテキーラの5つの違い【メキシコのスピリット】

日本で知名度の高いメキシコのお酒といえば、テキーラかビールのコロナ。

でもオアハカに来たら、メスカルを試してほしい。オアハカに来てから、ことあるごとにメスカルを飲んでいる。

オアハカの人々はメスカルが大好きで、生活から切っても切り離せないものになっている。

ここで、テキーラもメスカルも一緒じゃないの?という疑問が出てくるが、答えはイエスorノー。

テキーラとメスカルの違いをひとつずつ紐解いていく。

1. テキーラはメスカルだけど、メスカルはテキーラではない

テキーラとメスカルの区分

簡単に言うとテキーラはメスカルから生まれた。メスカルがテキーラのお母さんといった感じ。

スコッチやバーボンはウイスキーの一種だが、テキーラとメスカルの関係も同じ。

そしてメスカルもテキーラも、アガベという植物から作られる。

アガベ:リュウゼツラン

メスカルはどんなアガベからも作られるが、テキーラはブルーアガベという一つの種類からしか作られない。

そこがかなり大きな違い。

テキーラ=メスカル

メスカル≠テキーラ

テキーラは、ブルーアガベからのみ作られるが、メスカルの一種。

2. メスカルとテキーラはアガベの種類が違う

メスカルとテキーラ原材料の違い

スピリット専門に記事を書いているクリスによると、ほとんどのメスカルの原料は

トバラ(tobalá), トバジチェ(tobaziche), タペザテ(tepeztate), アロペーニョ(arroqueño), エスパディン(espadín)

というアガベの種類が使われていて、合わせると90%以上のメスカルがこれらのアガベからできている。

参考:https://www.abarabove.com/tequila-vs-mezcal/

メスカル:30以上もの様々な種類のアガベからできる

テキーラ:ブルーアガベ

3. メスカルとテキーラは作られる場所が違う

メスカルとテキーラの作られる州

作られる場所によっても、名前が変わってくる。

メスカルとテキーラ、どちらも作っている場所もあるし、オアハカのようにメスカルを伝統的に作っている場所もある。

オアハカの市内を歩いていると、メスカル屋さんが大量にある。そして逆に、テキーラを売っているお店はほとんど見かけない。

テキーラ:ミチョアカン・グアナファト・ナヤリト・タマウリパス・ハリスコ

メスカル:ドゥランゴ・グアナファト・ゲレロ・サンルイスポトシ・タマウリパス・サカテカス・ミチョアカン・プエブラ・オアハカ

4. メスカルとテキーラは醸造方法が違う

メスカル製造マゲイの栽培

メスカルもテキーラも、アガベからできる。

アガベはそのパイナップルのような形から、ピニャと呼ばれることが多い。

ピニャはスペイン語で、まさしくパイナップルという意味で、ピニャコラーダというお酒の名前を聞いたことがあるのでは?

ピニャ:パイナップル

テキーラはまず、ピニャをオーブンに入れて蒸し焼きにする。その後、銅で作られた鍋の中に入れられて、2~3回ほど蒸留させる。

メスカルは、地中に穴を掘って、溶岩を並べて、木と炭で穴を囲んで、そこで蒸し焼きにする。そして陶器で作られたポットの中で蒸留させる。

昔からの作り方を受け継いでいるメスカル職人は、昔ながらの作り方で今も生産しているが、大量生産を取り入れたメスカル職人は少し別のやり方でメスカルを作っている。

時代とともに、少しずつ変化を取り入れている人もいるのでしょう。

蒸留前に

テキーラ:オーブンで蒸し焼き(現代的)

メスカル:地中で溶岩などと一緒に蒸し焼き(伝統的)

5. メスカルとテキーラはラベルが違う

メスカルを寝かせる樽

メスカルもテキーラも蒸留作業が終わった後で、オークの樽の中に入れられる。

そして、その樽の中にどれぐらいの期間寝かされていたかで名前が変わってくる。

メスカルもテキーラも三つのカテゴリーで分けられる。 

ウイスキーなどと同じような感じで、樽に入れられたばかりのものは透明で無色。

時間が経過する毎に、ブラウンのいい感じの色がついてくる。さらに香りもどんどん変わってくる。

意外なことに、月日が経っていれば値段が高いというわけではなく、好みもそれぞれ。

若いメスカルがいいという人も割と多い。

メスカル:0-2か月/ホーベン(joven)、2-12か月/レポサド(reposado)、1年~/アネホ(anejo)

テキーラ: 0-2か月/ブランコ(blanco)、2-12か月/レポサド(reposado)、1-3年/アネホ(anejo)

最後に

アガベの栽培

お酒好きの方にとっては、メスカルとテキーラの違いはなかなか面白い内容だと思います。

私もお酒を飲むのが好きなので、メスカルはしょっちゅう頂いています。

自分で買ったことはないけれど、オアハカの人と飲んでいるといつもふるまってくれるので。笑

そして今でも伝統的に作っている部分もとても興味深い部分。

今宿泊しているホステルのオーナーが、メスカルのブランドを作っているので近々メスカル工場を取材に行く予定。

私のメスカル研究も続きます!

メスカルツアーに参加させてもらった時の体験談!!

非常に勉強になり、おすすめです。

そして、オアハカでずっとお世話になっていたホステル”ホスタル・エル・シエロ”のオーナーアレハンドロが作っているメスカルブランド。

ホステルに泊まると、初日は無料でメスカルを振舞ってくれたりします。