消えゆくマヤ遺跡のひとつ、サン・ミゲリート遺跡とは【カンクン・メキシコ】

サン・ミゲリート遺跡はカンクンにあるマヤ遺跡の一つ。カンクン近辺には、エル・メコ遺跡やエル・レイ遺跡、イスラ・ムヘーレスにあるIxchel遺跡といったいくつかの遺跡が存在している。
カリブ海とラグーンの間に建設された都市。なぜこんな場所に都市を建設したのだろう?
時代はマヤ文明後期の、ポストクラシックと呼ばれる頃(西暦950-1539年を指す)。このころは、頻繁にカリビアンの国々と輸出入を行っていた。
サン・ミゲリート遺跡について

サン・ミゲリート遺跡は、カンカンの中にある遺跡群の、エル・レイ遺跡、エル・メコ遺跡などと並んで同じコミュニティの中にあったマヤ遺跡の一つ。
サン・ミゲリート遺跡が一般公開されたのは2012年のこと。
温暖化の影響で、少しずつカンクンのエリアも水位が上がってきているので、 100年後には海の下に存在する遺跡になってしまうかもしれない遺跡。
元々はたくさんの建物(遺跡群)が存在したが、ホテルが立ち並び始めて、遺跡を壊して新しい建物(ホテル!)が建てられたという経緯があったという事実も忘れてはいけないこと。
サン・ミゲリート遺跡の名前は
サン・ミゲリート遺跡 の名前の由来は、1950年代にココナッツの農園から突然発見された遺跡で、そのココナッツ農園の名前がサン・ミゲリートだったことからこの名前がつけられた。
もともとマヤの人たちが使っていた名前は、まだわかっていない。
サン・ミゲリート遺跡の歴史

サン・ミゲリート遺跡の始まり
西暦250年から600年頃に人々が住み始め、西暦600年から900年にかけて少しずつ人口も増えていった。その頃からマヤのコミュニティの中でも大切な、貿易都市として栄えていった。
ここに都市ができたのは必然だった
トゥルム遺跡と同じ建築スタイルで建設された。
地形的にも面白い場所に存在していて、 すぐ横には海が広がっていて、その反対側にはラグーン(湖)があり、ここはカヌーで行き来をしたり、 食料としても輸出品としても大切だった魚介類を採るのに最適な場所でもあった。
スペイン人の侵略
1500年代に入り、スペイン人の侵略にを受ける。
この頃から、輸出入をしていたルートが消滅し、人口も一気に減っていた。原因はヨーロッパから持ち込まれた、新種の病気だったと考えられている。 病気が流行って、人口が一気に減少したことで、都市はそのまま消滅してしまった。
サン・ミゲリート遺跡は、4つのコンプレックスで分かれている

4つのエリアになっていて、
- チャーク宮殿、チャークパレス(The Chaak Palace)
- 北コンプレックス(the North Complex)
- 南コンプレックス(the South Complex)
- ドラゴン・コンプレックス(the Dragon complex)
南コンプレックスにはピラミッドがあり、チャーク宮殿もサンミゲリート遺跡の最大の見所になっている。
北コンプレックス

住居スペースだった北コンプレックス。 ほとんど何も残っていなくて、元々建物があったような場所の基礎が残っているだけ。
その中でも、食事を作っていた場所と、食料の貯蔵庫がある。
そして、北コンプレックスには20を超えるお墓が見つかっている。
チャークパレス

美術館の方から歩いて行くと、一番初めに現れる建物群で、細長いステージのようなところに支柱が今でも残っている。
Cの形で建物が配置されていて、これはマヤ文明で数多く見られる独特のデザイン。
パレス(宮殿)の長さは直径が30mあり、南プラットフォームに向かって正面を向いている形になっている。
今は石で作られた支柱しか残っていない。元々はイーストコーストスタイル(東海岸伝統の建築スタイル)の、木製の屋根が設置してあった。
支柱は、少なくとも12本あって、いくつかはオリジナルの漆喰が塗られた部分も残っている。数百年前に塗られた漆喰が残っているのを見ることができるのはちょっと嬉しい。
このパレスの名前の元になっている”チャーク(チャック)”は、雨を司る神様で、金星ともつながっていると考えられていたそうだ。 階段の近くにチャークがデザインされているところがあるらしいが、残念ながら見つけることができなかった。
ドラゴン・コンプレックス

このドラゴン・コンプレックスには4つの建物と、4つの神社、そして1つの祭壇と2つの家が確認されている。食事を作る場所や、儀式を行う場所、さらには祖先を祀る場所としても活用されていた。
ここで注目したいのが壁画!小さな建物だけれど、当時描かれた絵が残っているのが見れるのは結構感動的。
ここで描かれているのは、
- 魚
- 亀
- その他の海にいる生物たち
ここは、お寺として使われていた可能性がある場所。
南コンプレックス

南コンプレックスは2つの小さな祭壇と、6つの家だった場所。
更に奥には、雨水を溜める場所と、別の祭壇も確認されている。コンプレックスの中では、訪問客をもてなして、祭典を行う役割も果たしていた。
東に向いて建てられていて、真正面に支柱と階段のある建物があったり、一番奥には大きなピラミッドが突然現れる。
高さは4mほどあり、一つの階段はエル・レイ遺跡に向かって作られている。
かなり大きな貿易の主要都市だった

中央アメリカの貿易を頻繁に行うコミュニティのひとつだったサンミゲリートは、カンペチェなどのユカタン半島の反対側とも輸出入をしていた。
サン・ミゲリートが輸出していたアイテムは、
- 魚の干物
- 塩
- はちみつ
- エイの尻尾(儀式で血を流すのに使われる大切なアイテムだった)
- 黒曜石
- クォーツ
- 翡翠
- 玄武岩
といった、様々なものが産業になっていた。
サン・ミゲリート遺跡の場所
サン・ミゲリート遺跡に行くには、前回紹介したマヤ博物館にまずは入場してそこから遺跡に行きます。カンクンのホテルゾーンの真ん中の辺りにあるので、ダウンタウンからだとR1もしくはR2のバスに乗る。
マヤのミュージアムに行きたいと言えば、バスのドライバーは目の前で降ろしてくれて、
「あそこにあるよ」
と指を指して教えてくれた。
博物館も、遺跡からの出土品が多いし、説明も面白く見応えがあ所要時間は、ゆっくり見るなら2時間くらいを想定しておいてもいい。るので、ゆっくりと時間を取って見に行くことをお勧めします。2-3時間ぐらいは見ていた方がいいかもしれない。
サンミゲリート遺跡のグーグルマップはこちら
サン・ミゲリート遺跡の入場料
マヤ文明美術館の中に位置するので、美術館とセットで見る事ができる。
2020年2月現在で入場料は1人80ペソ。
クレジットカード払いも可能なよう。
入場料:80ペソ
休館日:月曜日
時間:9:00-17:30
サン・ミゲリート遺跡訪れた時のビデオ
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